忘れ物が多い小学生への対策は?よくある原因や避けるべき対応も解説

忘れ物が多い小学生への対策は?よくある原因や避けるべき対応も解説

「小学生の子どもにどれだけ注意しても、学校の持ち物を頻繁に忘れてしまう」
「忘れ物を減らすために、家庭でどのような対策をしたら良いのかわからない……」

小学校は教科書やノートだけでなく、ハンカチや水筒など必要なものが多いため、どうしても忘れ物が増えがちです。

しかし、毎日のように忘れ物を繰り返されると、親としては「なぜ?」「どうしたら良いの?」と悩んでしまいますよね。

忘れ物を減らすためには、まず以下に挙げる子どもの特徴から、根本的な原因を探りましょう

その後、原因に合わせて持ち物を用意しやすい環境を整えると、忘れ物が少しずつ減り、学校の準備をするプロセスも習慣化できます。

忘れ物の対策をするうえで、親がやってしまいがちなNG行為も知っておけば、正しい対応で子どもの成長をさらに促せるでしょう。

そこで本記事では、小学生の忘れ物が多くなる原因や対策、親が避けるべき対応を解説します。

少しでも忘れ物を減らし、子どもの自主性や考える力を伸ばしたい方は、ぜひ参考にしてください。

子どもの忘れ物が多いときは原因を探ることから始めよう

子どもの忘れ物が多いときは原因を探ることから始めよう

子どもの忘れ物が多いときは、まず何が原因なのかを探ることから始めましょう。小学生の忘れ物が多くなる原因は人それぞれで、取るべき対策も変わってくるためです。

たとえば、忘れ物の原因が「先生の話を聞き逃してしまう」の場合、効果的な対策としては連絡帳にメモを残すなどの方法が挙げられます。

「親が準備を手伝う」「時間割を入念に確認する」といった対策だと、根本的な問題解決にはつながらないでしょう。

原因を特定できないために、学校や家庭で叱られる場面が増えると、子どもは自信を失い「自分はダメな子だ」と自己嫌悪に陥る可能性があります。

具体的な解決策を見つけるためには、まず子どもの行動や周りの環境から、忘れ物が多くなる原因を探ることが大切です。

親子で一緒に考えると、子どもは忘れ物を自分事としてとらえ、前向きに行動を起こしやすくなりますよ。

忘れ物が多い原因を子どもの特徴からチェック!

忘れ物が多い原因を子どもの特徴からチェック!

忘れ物が多い子どもには、以下の特徴が見られる傾向にあります。子どもに当てはまる項目はないかチェックしてみましょう。

子ども自身、自分がなぜ忘れ物をするのか、よくわかっていないケースがほとんどです。

忘れ物が多いからといって問い詰めず、子どもの様子を観察したり話を聞いたりしながら、少しずつ原因を探っていきましょう。

子どもの忘れ物が多いのは必ずしも発達障害のせいとは限らない

子どもの忘れ物が多いと「もしかして発達障害なのでは?」と考える方もいるでしょう。

たしかに、発達障害の特徴として忘れ物の多さが挙げられることはあります。

しかし、これはあくまで特徴の一つに過ぎず、忘れ物が多いからといって、必ずしも発達障害が原因であるとは限りません。

仮に発達障害が原因だったとしても、子どもの成長にとって大切なのは、特性に合わせたアプローチで少しずつ忘れ物を減らしていくことです。

忘れ物以外にも気になる様子が見られる場合は、学校や医療機関、地域の保健センターなどに相談してみてください。

準備の時間を十分に取れていない

学校の準備にかける時間を十分に取れていないことは、忘れ物が多くなる原因の一つです。

必要なものやランドセル・カバンの中身を確認する時間がないため、忘れ物があっても簡単に見落としてしまいます。当日の朝に準備する人は、特に注意が必要です。

たとえば、当日の朝に準備しようとすると「早起きが苦手」「登校時間が早い」などの理由で、十分な時間を確保できない可能性があります。

低学年の場合は特に、当日の朝に準備を始めると予想以上に時間がかかり、中途半端なまま慌てて登校することになりかねません。

時間に余裕を持って行動するためには、前日のうちに必要なものを準備することが大切です。

詳しくは「前日に準備の時間をつくる」の中で解説していきます。

何を持っていくのか把握できていない

学校に何を持っていくのか把握できていないことも、子どもの忘れ物が多くなる原因として挙げられます。

いつ・何が必要なのかわからないため、時間に余裕を持って準備を始めても、スムーズに進まないでしょう。

必要なものを把握できていない原因として考えられるのは、以下のとおりです。

  • 注意力散漫になりやすく先生の話を最後まで聞けない
  • 話は聞いていたものの口頭説明のみで内容を忘れてしまう
  • 必要なものが書かれたプリントをなくしてしまう
  • 時間割や連絡帳をよく見ないまま準備を始める

この場合、忘れ物を減らすには「持ち物を連絡帳に書く」「時間割を細かく確認する」などの習慣をつける対策がおすすめです。

詳しい方法については「連絡帳のメモ書きや確認作業を習慣化する」をチェックしましょう。

整理整頓が苦手で必要なものを見つけられない

整理整頓が苦手な子どもは、何をどこに置いたのか把握しきれず、準備に時間がかかる傾向にあります。

必要なものを探すのに手間取ると、途中で面倒に感じて諦める場面も増え、結果的に忘れ物が多くなるのです。

ほかにも、整理整頓が苦手な子どもは以下の問題に直面しやすいでしょう。

  • 必要なものを探しているうちに別の持ち物を忘れてしまう
  • 準備に時間がかかるため、集中力が途切れて確認不足になる
  • 連絡プリントをなくして何を持っていくのかわからなくなる

整理整頓の習慣をつけて忘れ物を防ぐには、物の定位置や片付けのルールを決めるのが効果的です。

物の置き場所と片付けのルールを決める」を参考に、必要なものをすぐに見つけられる環境を整えましょう。

きちんと用意できたか確認していない

学校に必要なものを用意しても、ランドセルやカバンに入れたか確認する習慣がなければ、忘れ物をするリスクは高まります。

「きちんと時間割を見ているのに忘れ物が減らない」という場合は、子どもが普段から以下の確認作業をしているかチェックしてみましょう。

  • 準備が終わったあと、もう一度中身を確認する
  • 毎日必要なものについても欠かさず確認作業を行う
  • 家を出る直前に最後の持ち物確認をしている

特に小学生は、時間割や連絡帳を見るだけで満足してしまい「やったつもり」になる傾向にあります。

持ち物をきちんと用意できたか確認し、忘れ物を減らすためには、手軽に使えるチェックリストの活用がおすすめです。

詳しくは「チェックリストを活用する」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

準備をしているときの集中力が途切れやすい

集中力が途切れやすい子どもは、準備中も他のことに気を取られる傾向にあります。

家族に話しかけられたり、好きなゲームの音が聞こえたりすると、直前まで何を準備していたのか忘れてしまうのです。

頑張って準備しても、ちょっとした刺激で集中力が途切れてしまい、忘れ物が増えるのはもったいないことですよね。

そもそも小学生の集中力は、大人に比べて長続きしません。そのため、忘れ物を減らすには子どもを叱るのではなく、集中して準備できる環境を整える必要があります。

たとえば、誘惑となるものを視界に入れない、話し声やテレビの音を小さくするなど、視覚や聴覚の刺激を減らす方法は効果的です。

そのほか「◯分で準備してみよう」と制限時間を設ける方法もあります。詳しいやり方については「タイマーで制限時間を設ける」を確認してみてください。

忘れ物の対策は子どもと一緒に考えるのがポイント

忘れ物の対策は子どもと一緒に考えるのがポイント

忘れ物が多くなる原因を大まかに把握できたら、どのような対策を取るべきか、子どもと一緒に考えましょう。

どれだけ有効な対策を見つけても、子どもが納得して行動に移さないと、忘れ物を減らすことはできません

忘れ物の対策をする際は、以下の点を子ども自身に考えさせたうえで、今後どうしていくのかを決めることが大切です。

  • どのような場面で忘れ物が多くなるのか
  • どの持ち物を特に忘れやすいのか
  • 忘れ物を減らすためにどんな方法を試してみたいか

子どもが自分自身で決めたことであれば、より責任を持って行動するようになるため、高い効果も期待できます。

子どもが「これなら頑張れそう」と思える対策を考え、自発的な行動を促して解決を目指しましょう。

小学生の忘れ物に効果的なおすすめ対策5選

小学生の忘れ物に効果的なおすすめ対策5選

小学生の忘れ物に効果的なおすすめの対策は、以下の5つです。

  1. 前日に準備の時間をつくる
  2. 連絡帳のメモ書きや確認作業を習慣化する
  3. 物の置き場所と片付けルールを決める
  4. チェックリストを活用する
  5. タイマーで制限時間を設ける

できるだけ早く忘れ物をなくしたい方は、まず特定した原因に直接アプローチする方法を試してみてください。

慣れてきたら他の方法も実践し、徐々にサポートをなくすことで、子どもは自分の力でスムーズに準備できるようになります。

1.前日に準備の時間をつくる

余裕を持った行動で忘れ物を減らすためには、当日ではなく前日に準備の時間をつくりましょう。

時間的な余裕があることで心にもゆとりが生まれ、必要なものを用意できたか落ち着いて確認できます。

仮に前日の準備で確認ミスがあっても、当日の朝もう一度チェックできるため、忘れ物を最小限に抑えられます。

準備のタイミングは、以下がおすすめです。毎日のルーティンに組み込むことで、準備のプロセスを無理なく習慣化できます。

  • 学校や習い事から帰ってきた直後
  • 夕食後からお風呂に入るまでの間
  • 寝る前の歯磨きを終えたあと

毎日の生活を振り返り、どのタイミングで準備するのか子どもと話し合って決めましょう。

固定の時間が決まっている場合は、リマインダーアプリなどを使ってアラームが鳴るよう設定しておくと、忙しい日でも忘れずに準備できますよ。

2.連絡帳のメモ書きや確認作業を習慣化する

忘れ物を減らすためには「必要なものを連絡帳にメモする」「時間割を細かくチェックする」などの作業を習慣化する方法もおすすめです。

学校に持っていくべきものを把握しやすくなり、スムーズかつ確実に準備を進められます。

習慣化には時間がかかるため、以下を参考にしながら、スモールステップで一つずつ行動を定着させるようにしてください。

▼連絡帳のメモ書きを習慣化する方法
・帰りの会に連絡帳を取り出すことから始める
・話を聞きながらメモを取る練習を家でやってみる

▼準備前の確認作業を習慣化する方法
・準備の時間になったら時間割をランドセルやカバンの横に置く
・翌日の時間割と必要なものを親子で一緒に音読する

ランドセルやカバンの目に入る位置に「連絡帳・時間割を入れる」と書いた紙を貼っておくと、どちらも忘れずに持ち帰ることができます。

「自分で用意できた」と達成感を味わえるよう、準備そのものは子ども自身にやらせるのがポイントです。

3.物の置き場所と片付けのルールを決める

整理整頓が苦手なために忘れ物が多くなる場合は、必要なものをすぐに見つけられるよう、物の置き場所と片付けのルールを決めましょう。

子ども自身が「何をどこに置いたのか」を常に把握できると、準備のときも迷わずスピーディに行動できます

整理しやすい環境を整えるには、まず物の置き場所を明確にしましょう。定位置が決まったら以下の方法でそれぞれ区分けし、子どもが自分で管理しやすい状態をつくります。

  • 片付ける場所にラベリングをする
  • 物の種類ごとに箱の色を分ける
  • 小物は仕切りがついた箱に入れる

物の置き場所は、子ども自身に決めてもらうのがポイントです。親が決めるよりも記憶に残りやすくなり、責任を持って片付けられます。

片付けのルールは、以下の例を参考に決めてみてください。

  • 家に帰ってきたらカバンの中身をすぐに片付ける
  • 道具を出すときは前のものを片付けてからにする
  • 週1でランドセルやカバン、引き出しの中を整理する

子どもが無理なく準備できる環境を整えることも、忘れ物を減らすためには必要なアプローチです。

整理整頓の習慣がつくと、忘れ物はもちろん授業で困る場面も減り、自信を持って学校生活を送れるようになるでしょう。

4.チェックリストを活用する

忘れ物を防ぐにはチェックリストを活用し、必要なものを用意できたか確認する方法も効果的です。

学校に持っていくものを視覚化することで、ランドセルやカバンへの入れ忘れや、準備後の確認ミスを防げます

たとえば、ホワイトボードをチェックリストとして活用する際は、以下のように使ってみましょう。

  • 左に持ち物の記入欄、右にチェック欄をつくる
  • 毎日必要なものは常に記載しておく
  • 翌日の持ち物を用意できたら、右側の欄にチェックを入れる

使うときのイメージは、以下の図を参考にしてください。持ち物の名前は、ネームプレート式のマグネットに記載して貼るのも便利です。

子どもが慣れるまでは、家族も協力してダブルチェックを行うと、抜け漏れなく確実に準備できます。

チェックリストは部屋の扉や机など、目につきやすい場所に貼っておけば、仮に準備を忘れていても気付きやすくなりますよ。

5.タイマーで制限時間を設ける

準備をしているときに集中力が途切れてしまう場合は、タイマーを活用して制限時間を設けるのがおすすめです。

「どれくらいで準備を終えるのか」という目安を立てると、適度な緊張感で集中しながら準備できます

タイマーで制限時間を設ける際のポイントは、以下のとおりです。

  • 最初は10〜15分など長めに時間を設定する
  • 子どもの様子を見ながら時間を調整する
  • 子どもの頑張りを認めるフィードバックを行う

準備のあとは「昨日より早くできたね」「慌てず準備できたね」のように、プラスの言葉をかけると、子どもは「次も頑張ろう」と思えます。

きちんと用意できたかチェックするまでを準備に含めると、効率的に用意しながら忘れ物も減らせるでしょう。

最初は遊び感覚で取り組んでいたとしても、成功体験を積むことで自信がつけば、次第に自分から準備するようになるはずです。

子どもの忘れ物が多いときに親が避けるべき対応

子どもの忘れ物が多いときに親が避けるべき対応

子どもの忘れ物が毎日のように続くと、ついイライラしたり、手を差し伸べてあげたくなったりしますよね。

しかし、心配する気持ちが強いあまり以下のような対応を行うと、子どもの成長を妨げてしまう可能性があります。

忘れ物を減らすのには時間がかかることを理解し、長い目でじっくり子どもと向き合っていきましょう。

忘れ物したことを厳しく責める

子どもが何度も忘れ物をするからといって、厳しく責めるのは避けましょう。「自分はダメな子なんだ」と自己嫌悪に陥り、大きく自信を失う可能性があります。

前提として、子どもは意図的に忘れ物をしているわけではありません。なぜ忘れ物ばかりするのか、本人もよくわかっていないケースがほとんどです。

そのような状態で厳しく叱られても、子どもはどうしたら良いのかわからず、不安や罪悪感を抱えることになるでしょう。

責められることを恐れて、忘れ物をしても隠すようになってしまうかもしれません。

子どもの忘れ物を減らすには、厳しく責めるのではなく、原因や対策を一緒に考えることが大切です。

親の真剣な気持ちが伝わると、子どもは安心して自分の課題と向き合い、解決に向けて積極的に行動できるようになります。

子どもの代わりにすべて準備する

子どもの忘れ物を減らすために、学校の準備を親が代わりに行うのも避けるべき対応です。

親にやってもらうことが当たり前になると、子どもは「自分がやらなくても大丈夫」と人任せになってしまいます。

親がどれだけ努力しても、子どもが考えることを放棄すれば、状況は改善されないでしょう。

たしかに、子どもの忘れ物を減らすには親のサポートが不可欠です。しかし、自分のことは自分でできるよう、あえて見守らなければならない場面もあります。

「どうすれば忘れず準備できるか」を考えることは、単に忘れ物を減らすだけでなく、子どもの自主性や行動力を伸ばすうえでも欠かせない行為です。

なかなか忘れ物が減らなかったとしても、あくまで親はサポート役に徹し、子どもが自分で考え行動できるように促しましょう。

忘れ物をするたび学校に届ける

忘れ物を学校に届ける対応も、子どもの自主性が育たなくなる可能性があるため、できる限り避けましょう。

忘れ物に限らず、子どもが困難を乗り越え成長するには、当事者意識を持って課題に取り組むことが大切です。

しかし、親の心配する気持ちが強いあまり手助けをしすぎると、学校に忘れ物をすることが「困る経験」として残りません。

子どもが自分事として忘れ物の原因や対策を考えなければ、大きな成長にはつながらないでしょう。

子どもが自分自身の課題と向き合う環境を整えるには、親の助けたい気持ちをぐっと我慢することも必要です。

その後「どうすれば忘れ物を減らせるのかな」と困ったときに手を差し伸べることで、子どもは自ら改善に向けて行動できるようになります。

子どもと一緒に原因と対策を考えて少しずつ忘れ物を減らそう

子どもと一緒に原因と対策を考えて少しずつ忘れ物を減らそう

本記事では、小学生の忘れ物が多くなる原因や対策、親が避けるべき対応を解説しました。

小学生の忘れ物が多くなる原因として考えられるのは、以下の5つです。

忘れ物が多くなる原因を大まかに把握できたら、どのような対策を取るべきか、子どもと一緒に考えるようにしましょう。

具体的な対策としては、以下の5つがおすすめです。

  1. 前日に準備の時間をつくる
  2. 連絡帳のメモ書きや確認作業を習慣化する
  3. 物の置き場所と片付けルールを決める
  4. チェックリストを活用する
  5. タイマーで制限時間を設ける

忘れ物を減らすのには時間がかかることを理解し、長い目でじっくり子どもと向き合うことで、少しずつ問題を解消できます。

本記事を参考に、子どもの成長を支えながら、無理のないペースで忘れ物を減らしていってくださいね。